ヒビのサチ

太陽の下、ただバス停のベンチに座り、音を感じる。

よく耳を澄ませると、遠くの方で鳥がメロディーを奏でている。

車が目の前を走ってゆく。彼らはどこへ行くのだろうか。

そんな思考が、フッと意識に昇る。

座ってることで少し、捲れ上がったズボンの裾が、僕の足首を、少しまだ肌寒い朝の空気に触れさせる。

でも、さんさんといつも通り輝く太陽は、温もりを分けてくれるお陰で、あんまり寒くはない。

家の前のバス停。いつも見る景色。

でも、全く新鮮で、飽きの来ない景色。

これは素晴らしいこと。

文章を綴りながら、スゥーっと大きく春の空気を吸い込む。

季節ごとに、香りが違うこの空気は、とても面白い。

エンターテイメント。

僕に撮って、1番のエンターテイメントは、この世界であり、暮らしだ。

この雄大なる自然だ。

なんでもないこの時間なのに、なんでもある時間。

全てある時間。

愛おしいものだ。

ただ、愛おしい。

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